『アフリカの開発課題に対するAIの活用事例』

2021.2.2

【E-gates Africa News Vol.56】
~世界のニュースをアフリカの視点から~
『アフリカの開発課題に対するAIの活用事例』

今回は、アフリカの開発課題に対するAIの活用事例に関する3本の記事を紹介する。

国連開発計画(UNDP)は昨年12月、「人間開発指数(HDI)報告書2020」を発表した。人間開発指数(HDI)は、保健、教育、所得の観点から各国の平均達成度を測る指標であるが、アフリカの殆どの国々はHDI低位国グループに属しており、課題の深刻さが見てとれる。
(https://www.globalnote.jp/post-802.html)

例えば教育現場では、数千人もの児童を抱える学校も珍しくなく、生徒数に対して教師の人数が圧倒的に足りていないという課題があるが、AI技術の導入により、生徒一人一人に対するきめ細やかな指導が可能になるかもしれない。

その一方で、AIが国家に対する挑戦者や反体制派の抑圧を図る国家に悪用される恐れがあるなど、アフリカにおけるAI活用の問題点が指摘されていることもまた事実である。
(https://ourworld.unu.edu/jp/artificial-intelligence-in-africa-is-a-double-edged-sword)

ただし、アフリカにおけるAI活用の負の側面を踏まえたうえでも、同地域の課題解決に向けてAIが貢献できることは多いのではないだろうか。アフリカの諸課題に挑むAIの今後の動向に注目したい。

以下、アフリカの開発課題にアプローチしているAI関連の記事3本

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ニュース①
「医療ICT事業でアフリカに挑む」
近年アフリカにおいて、AI診断サービスに注目が集まっている。医師不足が深刻なアフリカにおいて、専門性を有する医療従事者の育成が急がれるが、これには多大な時間を要するのが現実である。こうした中、アフリカにおける深刻な医師不足、および医師育成のコストといった課題を解決する手段として、AIに期待が寄せられているのだ。AIを活用した診断には今後、大きなビジネスチャンスの可能性が秘められている。

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/7993735e0195791c.html
From JETRO (2020/12/04)

ニュース② 
「ナイジェリア発のAIベーススタートアップ ”Gradely”が資金を確保」
ナイジェリアのスタートアップ”Gradely”は、AIを活用して子どもたちの学業面での長所・短所を分析し、その結果に基づいて練習問題や授業映像等を保護者に対して提供している。インターネットに接続されたPCやタブレットを所有していれば誰でもアクセスでき、COVID-19の状況下においても、全ての学習者が各々のレベルに合った質の高い教育を受けられるように構築されていることが特長である。

https://disrupt-africa.com/2020/04/nigerian-ai-based-ed-tech-startup-gradely-secures-microtraction-funding/
From Disrupt Africa (2020/04/02)

ニュース③ 
「農業支援もサブスク、南アフリカ発「Aerobotics」はAIとドローンで食糧問題に挑む」
南アフリカのスタートアップ”Aerobotics”は、ドローンで撮影した高解像度の農作物の画像と衛星画像をAIを用いて解析し、農家のコスト削減や生産性向上を支援するサービスを提供している。先進国に比べ農業生産性が格段に低いとされるアフリカにおいて、AIによるサービスは貧困問題の解決に寄与することが期待される。また、ロックダウンにより農地に行けない状態が続いたが、こうした中でも農場の様子の観察が可能になるなど、当サービスの需要は高まっている。

https://thebridge.jp/2020/07/sa-agri-tech-startup-aerobotics-raises-us5-5m-from-naspers-foundry-pickupnews
From BRIDGE (2020/07/28)

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