『アフリカにおける児童婚の現状』

2021.2.4

【E-gates Africa News Vol.57】
~世界のニュースをアフリカの視点から~
『アフリカにおける児童婚の現状』

今回は、アフリカにおける児童婚の現状に関する3本の記事を紹介する。

COVID-19の流行によって、改善傾向にあった児童婚の状況が再び悪化に転じ始めている。(ニュース②)

児童婚は、子どもの権利を侵害するだけでなく、児童婚を経験した女性の多くを家庭内暴力や性的虐待のリスクに晒している。また、その影響が一世代で収束しないケースが多いのも、児童婚が深刻である所以だ。児童婚を経験することによる女性の社会的地位の停滞が、構造的貧困、ひいては複数世代にわたる児童婚の連鎖を引き起こす。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001469.000005176.html)

児童婚は国全体の貧困問題にも影響しうる重大な問題であるにも関わらず、他のテーマと比べ優先的に議論されることが少ないのが現状である。児童婚撲滅に向けて取り組む様々な団体の歩みを止めないためにも、引き続き女性たちを児童婚のリスクから守るためにも、より一層支援を強化していくべきではないか。

以下、児童婚関連記事3本

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ニュース①
「COVID-19がアフリカにおける児童婚撲滅に向けた取り組みにもたらす影響」
COVID-19の感染拡大抑制措置に伴い、アフリカにおける児童婚、および10代の妊娠件数が増加傾向にある。今回のパンデミックによって、新たに多くの女性が児童婚の危機に晒されることになり、児童婚撲滅のために取り組む数多くの団体の活動を停滞させてしまった。

https://www.equalitynow.org/covid_19_child_marriage_africa
From Equality Now (2020/10/01)

ニュース②
「COVID-19のパンデミックにより、新たに250万件の児童婚が発生」
セーブ・ザ・チルドレンの見立てによると、COVID-19の流行により、1,000万人もの子どもたちが復学できなくなるとされている。その殆どを占める女子は単に出席が困難になるだけでなく、性教育を受ける機会から遠ざけられ、望まない妊娠・出産、および児童婚を強いられてしまう。世界中の政府は、休校期間中も女子が教育を受け続け、やがては学校に戻り、性と生殖に関わる健康サービスを受けることを保証する義務を負っている。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)32112-7/fulltext
From THE LANCET (2020/10/10)

ニュース③
「コロナ禍のアフリカ諸国で、子どもの「女性器切除」が増える理由」
コロナ禍のアフリカ諸国で児童婚と並んで急増しているのが、女性器切除(FGM)である。COVID-19の影響により、今後10年間で新たに200万人の女子がFGMの犠牲になるという、国連人口基金(UNFPA)の推計もある。パンデミックに伴う休校措置により子どもたちが自宅で過ごす時間が増えたこと、ロックダウン等に伴う経済の低迷によってFGMの施術を行うことで収入を得る人が増加していることが、FGMの急増を招いているという。

https://otekomachi.yomiuri.co.jp/news/20201009-OKT8T242030/
From OTEKOMACHI (2020/10/09)

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