『アフリカにおける気候変動問題』

2021.4.15

【E-gates Africa News Vol.65】
~世界のニュースをアフリカの視点から~
『アフリカにおける気候変動問題』

今回は、アフリカにおける気候変動問題に関する3本の記事を紹介する。

1992年にリオデジャネイロで締結された気候変動枠組み条約をきっかけに、世界全体で地球温暖化対策に取り組むべきであるとの認識が共有され始めた。この条約をもとに2015年に採択されたパリ協定は、途上国を含むすべての参加国に対して、二酸化炭素の排出削減に向けた努力を求める枠組みであった。

近年の経済発展により、発展途上国の二酸化炭素排出量は軽視できないレベルにまで増大している。その損害を最も被ることになるのも、サハラ以南アフリカをはじめとする発展途上国であるということを認識し、対応しなければならない。

以下、アフリカにおける気候変動問題に関連する記事3本

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ニュース①
「アフリカにおける気候変動の現状」
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオによれば、2080年までにアフリカの大部分が、産業革命前と比べて2℃を超える気温上昇に直面すると予測されている。気候変動はアフリカに大きな被害を及ぼし、結果として最も脆弱な人々が食糧不足に陥ったり、水資源にアクセスできなくなるおそれがある。さらに、主要産業が農業であるアフリカは気候変動の影響を受けやすく、産業革命前と比べて世界の気温が1℃~4℃上昇するシナリオでは、アフリカ全体のGDPが最大12%減少するという見立てもある。

https://library.wmo.int/doc_num.php?explnum_id=10421
From World Meteorological Organization (2019)

ニュース②
「南アフリカは、パリ協定に基づく二酸化炭素排出量削減目標を達成することができないであろう」
世界的な気温の上昇を産業革命前と比べて2℃以内に抑えるという目標を達成するためには、南アフリカは2050年までに二酸化炭素排出量を60%から75%削減する必要がある。PwCは、このゴールを達成するには約7,000億ドルの投資が必要であると見積もっている。また、南アフリカの二酸化炭素排出量は2018年から2019年にかけて1.4%増加したが、同時期の実質GDP成長率はわずか0.2%であった。大量の二酸化炭素排出量に対して、経済成長をほとんど達成できていないというのが現状である。

https://www.engineeringnews.co.za/article/at-this-rate-south-africa-will-not-meet-paris-agreement-decarbonisation-goal-says-pwc-2021-02-05
From Creamer Media’s Engineering News (2021/02/05)

ニュース③
「アフリカ開発銀行レポート」アフリカ開発銀行は、パリ協定に基づいて各国が定めた二酸化炭素排出量の削減目標(Nationally Determined Contributions)を達成することを目指した、西アフリカ諸国の取り組みを強化するプロジェクトに対する財政的支援を強化した。加えて、西アフリカ諸国における ”国際的に移転される緩和の成果(Internationally Transferable Mitigation Outcomes)” の活用の道を探る概念づくりをも引き受けている。

https://afdb-org.jp/wp-content/uploads/Green_Bond_Newsletter-Issue_N5_November2018_jp.pdf
From Africa Development Bank (2018/11)

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