【E-gates Africa Column Vol.6】
『アフリカで絶対に手放したくない人材になる パート2』
パート1では「ヒッチハイク」という衝撃の手段で到着したインターンの話をしました。
自分で昔の自分のことを「ポンコツだった」という彼女がどうして変わったのか?何を学んだことによって変われたのか?
下記ブログをご覧ください。
https://egates-africa.com/cate…/%e7%99%be%e9%ac%bc%e4%b8%b8/
さて、今日は彼女のどこが絶対に手放したくないと思わせるのか、他の人材と何が違うのか、についてお話したいと思います。
絶対に手放したくない人材の特徴①
『責任のベクトルが常に自分に向いている』
彼女にお願いしたことが、彼女以外の思わぬ原因で失敗しても、彼女は「自分の責任=自分がちゃんと確認したり催促したりしなかったのが悪かった」と思っています。外部環境の悪いアフリカでは、うまくいかない原因のほとんどは相手先にあり、しかもその相手が「何でそーなった?」と思うようなありえないミスをしてきます。印刷屋に頼んだ名刺の印字が途中から切れてる、ホテルに頼んだフードプランが違う、11時までにとお願いしたものが11時過ぎても手付かず、なんてことは日常茶飯事です。それでも彼女は失敗しないために何度も電話やメールで確認を入れ、現場視察で結果を抑える、最悪自分が手出ししてでもやる、ことを忘れません。それでも失敗した時には、彼女は最善を尽くしてもなお「事前のアプローチのツメが甘かった」と反省します。
彼女自身はブログの中でこれを「当事者意識」と呼んでいます。
この当事者意識は普通の学生にはまずありません。他人のせいにするのは楽なので、それを理由に「不可能だ」という大人もたくさんいます。その中で、全ての結果は自分の責任だと思うことがどれほど難しいか、アフリカに来れば良くわかります。こうした細かいことを日々達成してくれる従業員がいかに貴重か、アフリカで活躍する方ならすぐにお分かりになるはずです。
絶対に手放したくない人材の特徴②
『常に結果を意識している』
結果が出ないアクションは意味がない。ある程度私の入れ知恵の影響もありますが、与えられた課題において出すべきアウトプットは何かを常に意識して結果を取りに行きます。欲しい結果が明確でない時は、どういう結果を得ればいいのか質問してきます。そこまでの過程が非効率だと思ったり、もっといいアイデアがある時は代替案を提案してきます。「あるべき姿」「得るべき結果」を常に意識して行動をプランしています。
これって普通では?と思ったバリバリキャリアサラリーマンの貴方、「車1台を指定の日時通りに用意する」ことすらアフリカ初心者にはできないのが現実なのです。まさかと思った方はアフリカでどのくらいのことが最低限のコミュニケーションで達成できるのか試してみてください。簡単なことでも結果を出すことの難しさ、そんなこともできない自分に愕然とするはずです。
絶対に手放したくない人材の特徴③
『体が丈夫』
ちょっと笑っちゃう要素ですが、環境の悪いアフリカで全力で活動し続けられる体力を持つのはとても重要なこと。本人はとても華奢で細い普通の女子大生なのですが、ハードスケジュールに耐えられる体力と気力、そして絶対に倒れないセルフマネージメント力を持っています。
心が折れて離職する人も少なくないアフリカで、体調を崩さずに全力で走り続けることにも人知れぬ努力が必要なのです。ちなみにアフリカ5年目を迎えるわが夫はずっと痔です。
絶対に手放したくない人材の特徴④
『遠慮なく上司を叱る』
叱ってくれる部下がいることがどれだけありがたいことか、賢明な経営者さんならわかると思います。特にスタートアップのような個の力が非常に重要な組織では、トップのアクションや経営判断が遅れるだけで全ての業務の次のステップが滞ることもあり得ます。会社として生き残り、結果を出し続けるためには、チーム全員がスピーディーに仕事をこなしつづけられるよう、全員が全員の仕事を最速でこなす必要があるのです。そのピースに社長ももちろん含まれています。彼女は私のアクションが少しでも遅いと感じると、容赦なく催促の連絡が来て、それでも何もしないと次の日には「いつできますか?私がやりましょうか?」と厳しいお達しが来ます。「はい。今すぐやります!」としか答えようがない状況に追い込んでくれます。こうした彼女の厳しい目が今日も我が社を高みに引き上げているのです。
8ヶ月前、「ポンコツ」だった彼女は今や同期最強なはずです。
頭が良くて口も上手いけど、実際手を動かすと何もできない空中戦系インテリ学生にも、バイタリティだけあって空回りしている地上戦系イキり学生にも、頭と手足両方使いながら涼しい顔で勝てるはずです。彼女の卒業時には、どの企業にもどんな経営者にも自信を持って推薦できます。
でも残念ですが、この逸材を欲しいと思った方から連絡をいただいても、
もう無理です。「絶対に手放したくない」ので(笑)
『アフリカで絶対に手放したくない人材になるパート2』
2019.12.31