【E-gates Africa News Vol.63】
~世界のニュースをアフリカの視点から~
『アフリカにおけるトイレ問題』
今回は、アフリカにおけるトイレ問題に関する3本の記事を紹介する。
急速な経済発展の裏で、世界人口の3分の1に相当する23億人もの人々が、今でもトイレにアクセスすることができていないという衝撃的なデータがある。これは、携帯電話を所有していない人の数よりも多い。
(https://www.reckitt.com/media/news/2018/october/figures-show-more-people-in-the-world-have-access-to-a-mobile-phone-than-a-toilet/#:~:text=1%20in%203%2C%20that’s%202.3,health%20and%20safety%20at%20risk.)
適切な衛生設備をもったトイレにアクセスできないことがもたらす影響は、感染症をはじめとする命の危機や経済的損失ばかりではない。トイレにアクセスできない女性たちは、野外で排泄する場合に、性暴力被害の遭遇率が通常の2倍になる。さらに、適切な衛生環境のない学校では、トイレに行くことが憚られて退学を選択せざるをえないという女子児童も少なくない。
(https://ideas4development.org/en/unexpected-link-access-toilets-womens-rights/)
このように、教育やジェンダー問題を含む多くの分野に影響を及ぼすトイレ問題であるが、アフリカにおけるトイレの設置および普及は、同地域における様々な問題の改善につながるのではないだろうか。
以下、アフリカにおけるトイレ問題に関連する記事3本
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ニュース①
「サハラ以南アフリカ地域に暮らす人々は、排泄場所を探すのに年間60時間を費やす」
サハラ以南アフリカ地域では、約8億9,200万人もの人々が野外排泄をしている。世界銀行の評価によると、同地域に暮らす人々は排泄場所を探すのに年間60時間を費やしているという。こうした現状は、アフリカ大陸に年間5億米ドルもの経済的損失をもたらすばかりでなく、とりわけ女性たちに対し、子どもや病気の年配者のために排泄場所を探すための時間的コストを払うことを強いている。
https://www.downtoearth.org.in/news/water/sub-saharan-africans-spend-60-hours-a-year-finding-a-private-place-to-defecate-61462
From DownToEarth (2018/08/28)
ニュース②
「ナイジェリアの衛生危機」
アフリカ大陸最大の人口を抱えるナイジェリアでは、都市部に48%近くの人々が暮らしており、今もなお都市部への人口流入が続いている。しかしながら、都市部でさえも衛生設備が完備されておらず、首都のアブジャやラゴスを除き、コミュニティ全体に下水道がない。それどころか、衛生状況の改善は個々人の責任であると政府が表明しているのが現状である。
https://washmatters.wateraid.org/publications/nigerias-sanitation-crisis-world-toilet-day-supplement-2016
From WaterAid (2016)
ニュース③
「あのビル・ゲイツが「トイレ革命」に挑戦する訳」
アフリカをはじめとする開発途上国では、トイレの不衛生、あるいはトイレにアクセスできないことによって多くの人々が感染症にかかり、命を落としている。こうした状況に対し、ビル・ゲイツは約2億米ドルの資金を投じて、水も電気も使わず、排泄物を溜めるタンクも要らない新しいタイプの汚染処理施設を開発した。優れた技術力を誇る民間企業と連携しつつ、開発途上国に普及しうるトイレの開発を進め、依然として深刻な衛生問題にアプローチしている。
https://toyokeizai.net/articles/-/405186?page=5
From 東洋経済ONLINE (2021/02/06)
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